参考文献②(①の本をそれぞれ紹介しています)

『なぜ日本経済は世界最強と言われるのか』(2012.10.15 tanakomo)

 

今日、ランチの帰りに寄ったカフェで手にとった(みんなに読まれてくたびれはてた)先々週号の「週刊ポスト」(10月12日号)に、なんと「ぐっちーさん」の本が紹介されているではないですか!!

私も先日買ったばかり、今読んでいる最中なのに・・。

これでぐっちーさんも有名になるなと思って、なにげなく今、本の奥付を見たら、初版の発行がつい先日の10月1日で、私が買ったのは、もう10月13日発行の第3版第1刷になってました。

すごい!!
売れてますねー。

ということで取り急ぎ紹介します。

フナツの貿易実務講座や国際商取引のセミナーを受けた方なら、数年前からフナツがグッチーさんのコラムが、おもしろくて、どうのこうのと、話していたのを覚えていると思います。

毎週「アエラ」が置いてあるカフェに、モーニングを食べに行くのも、ぐっちーさんのコラムが読みたいからです。(前も書いたかもしれませんが、情報入手及び書籍購入にはお金をなるだけ惜しまないようにしているフナツでも、お金を出して買うほどの魅力を感じさせない「アエラ」・・・、いちどその魅力の薄さを分析してみたい・・・、いや魅力が薄いというよりも、雑誌に流れるトーンがいまひとつ好きになれないのか・・、うーん・・、閑話休題)。

ぜひ、書店で手にとって目次にざっと目を通してみてください。

勇気づけられることがたくさんあります。

そして、新聞を筆頭とする大マスコミ、そして経済評論家、経済学者といわれる方々(スポンサーに不利になることは書かない、言わない方々)の意見に首をかしげたくなること請け合いです。

少し「はじめに」から紹介します。

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皆さまが新聞などでご覧になる経済予測や記事は、学者ですとか、実際ディールに携わったことのないエコノミストなど、いわば「象牙の塔」に住んでいる人たちの情報ばかりです。彼らは「鳥はこうやって飛ぶんだ」とメカニズムを解説するのですが、実際に自分で飛んだことはないのです。(7ページ)
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いかがですか?

実際に国際ビジネスの現場で頑張っているビジネスマンなら、この言葉に共感してもらえると思います。

青島刑事が叫ぶところの、「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ」ってやつですね。

フナツも国際ビジネス講座の講師やコンサルティングをやっているのですが、新聞・雑誌、そして本を読んでもわからないことや納得できないことがあると、現場の人間にインタビューに行きます。そこで現場の話を聞いて初めて、本で得られた知識が血となり肉となる感触があります。

国際ビジネスの担当者だけでなく、資金をグローバルに運用したい方、FXや株の売買に興味のある方にもお勧めの本です。

ぐっちーさんの有料メルマガの原稿を加筆訂正して出版された、ぐっちーさん初の著書です。これは「買い」ですよ!

 

 

 

 

『アフリカ』(2012.12.13 tanakomo

 

さて、ビジネスセミナーが続いたので、そちらの参考文献から比較的読みやすいものをアップしていきます。

下に表示された題名ではよくわかりづらいと思うので、本の題名をきちんと書いておきます。

「NHKスペシャル」取材班『アフリカ 資本主義最後のフロンティア』新潮新書

2010年4月から6月に放映されたNHKの「アフリカンドリーム」の取材チームによって書かれた本で、少々古いですが、アフリカの今を知るにはとてもいいと思います。

以前ここで、『プータロー300億稼ぐ』というアフリカでビジネスをやっている人の本を紹介したと思いますが(そのときこの本も紹介していたら再度アップということでごめんなさい、たぶんないと思うのですが・・・)、アフリカは今すごいことになっています。

カバー裏の紹介文を引用します。

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いまアフリカに、世界中の熱い視線が注がれている。「大虐殺の地」ルワンダは「アフリカのシンガポール」を目標に急成長。マサイ族の生活も携帯電話の普及で一変した。タンザニアやボツワナは、資源をテコに「中進国」への戦略を描く。不幸な歴史に苦しめられてきた豊かなる大地で何が起きているのか。
***

植民地時代の負の遺産や、餓えや貧困、エイズなどの病気に悩まされているアフリカばかりが喧伝されていますが、ビジネスの最前線からアフリカを見ると何が見えるか、という本です。

実際にアフリカでビジネスをやるとかそういうことは関係なく、世界は今?なんて感じで読んでもらうといいと思います。

マサイ族が槍と携帯持参で狩りに行くって構図がいいでしょ?

 

 

 

 

『グローバル・マーケティング入門』(2012.12.13 tanakomo

 

マーケティングの勉強をされた方は多いと思いますが、それを世界的な視点で見つめたことがあるでしょうか?

日本国内は市場の縮小だとか、超成熟社会、人口減少、消費者の購買行動の変化だとか、いろいろ言ってますが、世界を見たらまったく違うものが見えてきます。

資源は豊富で、国土も広く、人口もこれからどんどん増える、なんていう国は世界を見渡せばいくらでもある。たとえばインドでは現在すさまじい勢いで中産階級が増えつつあります。みんなこれからテレビを買い、車を買い、そして家にエアコンをつけるのです。

縮こまった、そしてこれからも縮んでしまうだろう日本市場に見切りをつけて(もちろん全部やめる必要はないんだけど・・)世界へ飛び出す企業が増えているのは当たり前です。

そういった「70億人世界市場」をどうとらえるか。

本の帯には、

<砂漠で錦鯉!?ヨーロッパでしょうゆ!? 埋もれた巨大市場を掘り起こせ!マーケット開拓のキーポイントが分かる!>

とあります。

ハウツー本の鉄則、「見開き2ページにひとつのトピック」という体裁で読みやすいです。

海外市場で勝負する前に、まず基本を押さえましょう。

 

 

 

 

『国際ビジネス法入門』(2012.12.13 tanakomo

 

さきほどはグローバルマーケティングの本を紹介して、世界市場を相手にする、ということを書きましたが、ちょっと待て、ですね。

商習慣とか法律とかさまざまなものが違う国において商売をやるわけですから、リスクヘッジが大切です(特にお金の決済とかね)。

そもそも外国との取引、国際商取引においてトラブルがあった場合、どの国の法律で裁かれるのでしょう?国際司法裁判所??

ごく普通の商取引ではそんなたいそうなところまでいきませんね。商売にトラブルはつきものですが、じゃあどうやって解決すればいいんだろう?そして、どういうところに気をつけたらいいんだろう??

なんてことのための基本的な法律関連の知識が詰まった本です。

もちろん「入門書」です。

少々「はじめに」から抜粋します。
・本書は国際ビジネスに必要な法的マインドの基本的な知識を整理して解説するのが狙いである。
・若手社員からすでに国際ビジネスに携わっている方々にとっても法律面のチェックやアップデートの参考にしていただければと考えている。

まずは理論武装からですね。

 

 

 

 

『中国赴任者のための法務相談事例集』(2012.12.13 tanakomo

 

そして、さきほどの国際法務の入門書に続き、今一番ホットな国(「ホット」には触れるとヤバいぜという意味もあります)である、「中国」専門の法務本があります。

中国の企業ってどんな感じ??(そもそも社会主義、共産党なのに営利目的の企業が存在する??)、工場を新設するには、契約はどうやってする、賠償責任を負ったら、消費者との間で紛争が起きたら、信用調査はどうやって、銀行取引は、税関とトラブルを起こさない為に、税金は、労務管理は、贈収賄の当事者とならないために気をつけること・・・などなど。

こういう知識なしに、以前はかなりの企業が中国との企業と簡単に合弁して、そして痛い思いをして赤字を出して撤退した、という事例があります。

転ばぬ先の杖。

 

 

 

 

『通貨戦争』(2012.12.25 tanakomo

 

国際金融関連の本です。

すごくおもしろかったです。先日の某都銀さんでの、行員さん向け研修でも「必読ですよ!!」って連呼しておきました。

もちろん、このブログの読者の方々の何人が国際金融に興味があるかはわかりませんが、世界経済の動き、金の価格、そして円とドルの交換比率というものに、否応なく興味を持たざるを得ない人もいると思いますのでアップしておきます。

少々書き込みが長いので興味のない人はスルーしてください。

著者は、他国の通貨との為替交換比率の操作や、それに関連する人為的で意図的な国家単位での行為を「通貨戦争」と称しています。

そしてアメリカは、自国の安全保障上の戦略的分析を行う「戦争分析研究所」(まあ、戦争になったらどうするか、とか、戦争に至らないためにどうするか、というシュミレーションゲームの本格的なものをやるところと言ってもいいと思います)において、実際の大量破壊兵器を使った戦争、局地的紛争ではなく、純粋に「金融的武器」つまり、通貨、株式、債券、デリバティブなどを使ってグローバルシュミレーションゲームをやることの重要性に気づき、著者はそこに金融の専門家として参加したというところが第一部(第一章、第二章)で語られています。

第二章では実際に架空の金融(通貨)戦争を行い、著者が参加したロシア(という仮想敵国を想定した)組に、経済の専門家・学者がそろったアメリカ組が負けてしまうのです。

つまり、うかうかしているとドルが他国によって崩壊させられてしまう筋書きも可能であると、ペンタゴンが(これまで半信半疑だったが、今回はっきりと)認識するというわけです。

第三章から少々引用します。
***
 自国通貨の価値を他の通貨に対して下落させることで競争力を高めようとする通貨戦争は、国際経済の破壊的で恐ろしい展開だ。それは諸国が自己中心的な通貨切り下げを行い、関税をかけて世界貿易を崩壊させた大恐慌の悪夢を彷彿とさせる。アメリカがドルと金のつながりを断ち切ることでドルを弱くさせようとし、その結果、原油のドル価格が四倍になった1970年代の記憶を呼び起こす。さらに、1992年のイギリス・ポンド危機、1994年のメキシコ・ペソ危機、1998年のロシア・ルーブル危機などの混乱を思い起こさせる。だらだら続くものであれ、急激に襲うものであれ、これらの通貨危機は、停滞、インフレ(物価上昇)、緊縮政策、金融パニックなど、苦痛に満ちた経済的帰結につながる。通貨戦争から、建設的なものは何も生まれない。
 だから、2010年九月末にブラジルのギド・マンデガ財務省が、新たな通貨戦争が始まっていると断定したことは、世界の金融エリートたちにとって衝撃的なことだった。(58〜59ページ)
***

もちろん、中国の人民元や最近のユーロの動きにもふれられています。

そして、第四章:第一次通貨戦争(1992年〜1936年)、第五章:第二次通貨戦争(1967年〜1987年)、第六章:第三次通貨戦争(2010年〜)と歴史のおさらいが続き(このあたり知らなかったこともたくさんあって、すごく勉強になりました)、さらに、第七章:G20による解決への動き、といった具合に通貨戦争について具体的な記述があり、第三部:次のグローバル危機、と本の内容は展開していきます。

金本位制は復活するのか?(もし、復活という噂が本当なら金の価格は暴騰します、いったいいくらまでいくのやら・・、今お金を持っている人は「金」を買うべきです・・)

フナツのまったくの個人的見解を述べるなら(あ、あんまり信じないほうがいいですよ)、歴史は繰り返すということが今回も当てはまるなら、部分的金本位制もありかなと思いますし、そして結局それがまた混乱を生み、結局金本位制をやめる、ということになるのかなと思います。

あ、それから、現在円安にふれているのは自民党政権が誕生するからではなく、アメリカの大統領が再選されたときは、いっとき強いアメリカを象徴するためにドルが高くなる(円が安くなる)という毎回の繰り返し(歴史が証明)なので、状況を見誤らないでくださいね。

では最後に、フナツのビジネスセミナーを受けていない人のために、現在グローバル経済がどうなっているのかをよく説明している文章を引用しておきますね。

著者は「通貨安」が雇用創出や収益性の強力なエンジンになりうる、厳しい経済環境においては魅力がある、と書いた後で、こう述べます。

***
だが、こうした策の問題点や意図せぬ結果は、即座にと言っていいほど短期間で現れる。そもそも、最初から最後まで一つの国でつくられる財はほとんどない。今日のグローバル化した世界では、ある製品がブラジルの消費者のもとに届くまでに、アメリカの技術、イタリアのデザイン、オーストラリアの原材料、中国の組み立て労働、台湾の部品、それにスイスを拠点とするグローバウ流通サービスが関わっているかもしれない。このサプライチェーン(供給連鎖)、イノベーションチェーン(技術革新連鎖)のそれぞれの要素が、全体に対する貢献の割合に応じて全体の利益の一部を受け取ることになる。つまり、グローバル・ビジネスの為替レートの側面には、最終製品の販売通貨だけでなく、すべての中間投入財やサプライチェーン取引の通貨が関係するのである。自国通貨を安くする国は、最終製品の海外での販売価格を安くできるかもしれないが、さまざまな投入財の購入に以前より多くの自国通貨が必要になるので、結局わが身を苦しめることになる。ある国が工業製品を大量に輸出し、同時に、それらの製品を製造するために大量の原材料や部品を輸入している場合、その国の通貨が純輸出に及ぼす影響は、安い人件費、低い税率、優れたインフラ(社会基盤)など、他の要因に比べるとゼロに近いかもしれない。(62ページ)
***

フナツのグローバルビジネスセミナーでは、こういったことの具体例や、その実態、各企業の戦略、各国の取り組み、そしてそれを取り巻く国際貿易体制などを話すんですけどね。

もちろん日本のことにもふれています。(ほんの少しですけどね)最近流行り言葉になった「マネタリズム」についても書かれています。

ぜひ、上の文章をもう一度読んで、現在の日本にとって「円安」がどう影響を及ぼすのかを考えてみてください。

 

 

 

 

『世界のお金は日本を目指す』(2012.11.8 tanakomo

 

明日は東京で、そして来週は大阪で、と、某都銀さんで国際ビジネスのセミナーをやる関係で、ちょっと国際金融関連の資料をここんとこ集中して読んでいます。

その中でも比較的読みやすくて、そして「日本は大丈夫」と太鼓判を押してくれる(読んでて暗くならない)本を紹介します。

題名もとても心強いですね、おまけにサブコピーが「日本経済が破綻しないこれだけの理由」、そして本の帯の文句が「なぜ円が買われるのか?通貨の裏側に隠された本当のこと!」

「うんうん、なぜか知らないけどテレビ雑誌でいろいろ言われているほど悲観する必要はどこにもないんだ、よしよし」なんて気持ちになりませんか?

いちおうこの本は、「データの裏を読み解く」と銘打っているだけに、さまざまなデータが出てきますが(まあ、経済や金融のことを書いている本ですから・・)、まったくちんぷんかんぷんな表やグラフは出てきませんので安心してください。

わかりにくさよりも、グラフで見ると一目瞭然じゃん、って感じで楽しめるとまではいきませんが、頭の中で書かれた数字が踊って収集がつかなくなることはありません。

とりあえずクリックして目次を見ていただいて、少しでも興味を持てそうなテーマがあったら、ぜひ本屋さんでパラパラ読んでみてください。

少し「はじめに」から引用します。
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 一般の経済評論、国際金融の解説であれば私などよりも優れた分析はいくらでもあります。私の場合はあくまでも現場で見て・聞いて、そして実際に国際金融相場で取引をしてきた際の一参加者としての目線が基本となっています。それは時に一般の国際金融論や経済学からはかけ離れているため、突飛に映ることもあるかもしれません。
 実際に「そんなことは論理的にありえない」とご指摘を受けたこともありますが、理論で片づけられればこの世はなんと楽なことでしょう。そうはいかないところに、経済分析の難しさがあると思われます。
 震災以降、想定外という言葉がすっかり市民権を得ましたが、国際金融の現場では想定外を常に予測することが想定内となります。理論の中で考えをめぐらせても、残念ながらそれでは想定外の予想はできないのです。
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ぜひ、著者の「理論では説明できない部分に相場の本質に近い部分があるという点について、何とかお伝えできれば・・・、しかも客観性を持った裏づけを伴ってお伝えしなければ・・・」という言葉を、この本を読みながら思い返してもらうといいかもしれません。

先日の、ぐっちーさんの本とあわせて読んでいただくともっといいです。

 

 

 

 

『99%対1% アメリカ格差ウォーズ』(2012.11.1 tanakomo

 

町山さんの新しい本が出ました。

前作『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』が、とてもおもしろくて、発売の広告を見て速攻で注文しました。
(フナツが担当する国際ビジネス関連のセミナーでも、「アメリカの今」が知りたい人はぜひ、と勧めてます)

こないだ9月に第1刷が出て、もう10月には第2刷です。
いい感じで売れてますね。

町山さんは、アメリカはカリフォルニア州在住のコラムニスト(&映画評論家)です。

前作は、「週刊現代」や「サイゾー」などの雑誌に連載されたコラムで構成されていましたが、今回は「クーリエ・ジャポン」の連載を加筆訂正したものらしいです。

デタラメな面ばかりを強調しているきらいはありますが、でもコラムのネタになりそうなデタラメぶりが、今のアメリカにはこんなにてんこ盛りなんだと、呆れつつもページを繰る手が止まりません。

ぜひ、サイトをクリックして内容を確認してみてください。
最近はやりの「ティー・パーティ」の実情、アメリカ大統領選の実態、はたまた今作にもたくさん出てくる「変な人」の数々。

一体アメリカってどんな国なんだろう??と考え込んでしまうこと請け合いです。

アメリカの会社と仕事してる人、アメリカに留学しようとしてる人、アメリカ人の知人がいる人、その他アメリカという国に興味のある人、ぜひ本屋さんでパラパラ立ち読みしてみてください。

 

 

 

 

『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』(2012.11.1 tanakomo

 

念のために前作もアップしておきます。

ちょっと序章から引用してみましょう。

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「アメリカが外国に戦争をしかけるのは地理の勉強をするためだ」というジョークがある。
パスポートを持っているアメリカ人は国民の2割にすぎない。他の8割は外国に関心がない。彼らが外国の土を踏むのは、銃を持って攻め込む時だけだ。
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本屋さんで序章だけでも読んでみてくださいね。
たぶん、買って続きが読みたくなります。

 

 

 

 

『プータロー、アフリカで300億円稼ぐ』(2012.5.13 tanakomo

 

ある意味、とても痛快な本です。
いるんだなぁ、まだこういう日本人が。

でもって著者は、昔風のヴァイタリティ溢れる、オレ成功したぜ!稼いでるぜ!ポジティブシンキングだぜ、っていうようなギラギラな感じじゃ全然ないんですね。

まさにフナツの周りに普通にいるような現代の若者で、ガツガツしてない、真面目でコツコツ、気張らず、気負わず、っていう(あくまでも文面から判断してるだけですが)ナイスガイなんです。

副題が「25歳無職の男が4年で年商300億」。

カッコつけた言い回しもなく、成功を誇るわけでもなく、淡々と「数ヶ月後、僕たちの手元のキャッシュは、1億円近くになっていました。ほんの1年前、残金4万円しかなかった僕たちが、それだけのお金を使えるようになったのです。日本ではあり得ないことでした」(90ページ)って感じなんです。

著者は沖縄の県立高校卒の、特に成績が優秀だったわけじゃなく、運動が得意だったわけでもない、ホントに普通の高校生でした。

大学を出ても2年間フリーターしてたくらいです。今でも日本に帰るとフリーターに見られてしまうと書いてあります。

もちろん、読めばわかりますが、著者と著者のビジネスパートナーたちは、アフリカに進出した時期もよく、コネもありました。とてもラッキーだった面もあります。

人によってはきっと、この本を読んで「何だ、たまたま成功しただけじゃん、ビジネスはそんなに甘くないよ」なんてことを思う人もいるかもしれません。でもそれは違うとフナツは思う。

日本の社会では、「できる理由」を考えて「やる」より、「できない理由、難しい状況」のほうをメインに考えて「やらない」選択肢を選んだ自分って賢い、と自己満足してる人が多いと思う。

あくまでもフナツの(これまで生きてきて、いろんな経験したことからの)感想だけど・・。

そして、「そんなに甘いもんじゃない」って言ってる人はそう思うことによって「甘くない状況」を引き寄せてると思うし、また本当に「甘くない状況」が現実化することを、実は心の底では望んでいるんです。だって、「甘くない状況」が現実化することで、「自分は正しかった、ほら見ろ」って自分の意見を正当化できるからです。(そういう態度って正直じゃないし、もうフナツはそういう感情から抜け出したい)

閑話休題。

特に若い人に、ってわけじゃなく、いろんな人に読んでほしいなと思います。

 

 

 

『訣別 大前研一の新・国家戦略論』(2012.1.14 tanakomo

 

参考文献①では別の本を挙げてますが、とりあえず大前さんの本で先日の企業研修で紹介した本ということでここに書いておきます。

日本はこれからどうなっていくんだろう?日本はこれからどうしたらいいんだろう??日本が立ち直るためにはどのようなことが必要なんだろう???
そういったことで悩んでいる人がいるかもしれません。決して「そんなこと、ウチらには関係ないって」って言っていられない時代が来たような気がします。まあ、そこまで切実ではなくても、漠然とした不安を抱えている人は多いと思います。
特に若い人に、こういう本を読むことを勧めます。この本の内容がすぐに日本の政治や経済に活かされることはないと思いますが「こういう考えもあるんだ、なかなかいいじゃん」というアイデアをたくさんの人が知っておくことによって、少しは世間の風潮というものに流されずに自分の意見が言えるようなるかもしれません。
この本は、大前さんがまさしく大所高所から「こんなふうに日本を変えるべきだ」と言い切っている本です。すべてとは言いませんが、うなずけることばかりです。
社会に出る前に、社会人になる前に、こういった大きな理想というかプランに接しておくべきです。社会に出たら目の前の具体的なことに追われてしまう人生が待ってます。「何バカなこと言ってんだ、んなこと言うのは十年早えーよ、それより仕事しろ」って言われる人生が待ってます。
決して小難しい内容ではありません。平易な言葉で語ってくれています。
現代社会のことを知るためにも、ぜひ。

 

 

 

 

『お金の流れが変わった!』(2011.11.25 tanakomo

 

大前さんの本で読みやすいものを紹介します。
大前さんがこの本で強調しているのは、日本がアメリカだ、中国だ、と言っている間に世界経済は変わりつつあるということです。
国際的なお金の動き、アメリカ中国のこと、EU、さらに新興国が現在どのようになっているのか、これから日本はどこへどのように向かえばいいのかの指南書です。日本の新聞や雑誌を読んでいてはわからないような情報がいろいろ詰まってます。世界経済の入門書として読むのもいいです。
ただ、3.11以前に書かれた本なので、多少軌道修正しなくてはいけない点もあるかもしれませんが、大枠は変わらないと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

コンテナ物語(2011.11.11 tanakomo

 

来週月曜日は、中部地区ではトップの国際物流企業の某社で、火曜日は東京へ行って某都銀で国際ビジネス研修です。
でもって、その研修で話さねばと思っているのが物流の歴史、コンテナ輸送の歴史と現状です。
この本は、貿易の形態を変え、輸送のあり方を変え、グローバリゼーションを後押しする大きな要因のひとつとなったコンテナ輸送の歴史と実態を描いた本です。経済学者が、現代のボーダレスな国際ビジネスのいろんな要因を調査研究し、専門の研究者や評論家がいろんなことを言ってますが、コンテナ輸送の登場で経済及びビジネスのグローバリゼーションが進んだのは間違いありません。
近代や戦前はいうに及ばず、戦後しばらくたっても依然として物流、特に港での荷物の積み込みや積み降ろしは人力に頼っていたわけです。当然ひとつの港で一週間くらい費やしてしまうのは当然で、天候にも左右されます。
それがコンテナの登場で、荷役時間は大幅に短縮され、船からトラック、鉄道などの積み替えもシームレスになりました。
昨今は荷役がコンピュータで処理され、すべてオートメーション化され、かつ300メートルを越えるような巨大船も就航し、大規模にスムーズに作業が行われることで、運賃も数十年前の在来船(旧式の貨物船のこと)の時代に比べて劇的に安くなり、国際物流にかかる日数が短縮されたということは、工場がどこにあろうと、生産地がどこであろうと、世界中どこでも素早く安く運べますよ、ってことなわけです。これがグローバリゼーションを押し進めた要因でなくて何なんだということですね。
コンテナ輸送ってまだ新しいんです。現在のようなコンテナが最初に運ばれたのは1956年だそうです。その歩みも、最初は仕事を奪われそうな港湾労働者から嫌われ、次は従来の物流の既得権益を持つ人々に邪魔をされ、と決して順調に発展したわけではなかったのです。
物流関係の会社の人は「教養」として読むべし、ですね。

 

 

 

 

『トップ・レフト』(2011.11.2 tanakomo

 

アメリカの投資銀行や国際金融ビジネスの実態が迫真の描写で描かれています。
準主人公といってもいい登場人物の設定がちょっと過剰かな、というのが唯一の欠点ですが、あとは非常にスリリングな展開で、とてもおもしろく読了しました。
また、フナツは某都銀の研修もやってるのですが、以前シンジケートの部門の方に名刺をもらった際に、思わずこの本のことを語り合いたくなり、で、それをかろうじて押さえました。というのも、そういった都銀の当該部門や海外支店の情けないところがたくさん書いてある本でもあるのです。(ひょっとしたら失礼どころか、反対に「そうそう、もう最低なんです、ウチも」なんて反応が帰ってきたかも・・)
内容は、下記サイトでじっくり読んでみてください。
そして、ここに紹介したサイトは、内容を読んでもらうためにアップしたものです。紹介されている単行本はもう絶版なので、同じ出版社から出ている安い文庫本を注文するといいと思います。

 

そして「トップ・レフト」というのは、大手銀行の外為の人なら誰でも知っていますが、シンジケートローン、つまり複数の銀行が一緒になってローンを組む、そのときの主幹銀行が一番左上に名前が載るということです。もちろん重責を担い、栄誉でもあります。

 

 

 

 

 

 

 

『イスラーム癒しの知恵』(2011.10.3 tanakomo

 

9.11以来、私たちのアラブへの視線は、何かバイアスがかかっているような気がします。日本人は、世界で何億もの人が信じているイスラム教のことをもっと知るべきだと思います。自爆テロやアメリカとの戦争のニュースからは、彼らとても好戦的だったり、独善的な価値観を持っているように見えますが、それこそが一種のプロパガンダではないかと思います。
なんて、真面目に書き始めましたが、この本読んで「おっ、イスラム教ってなかなかいいじゃん」と真剣に思いました。ビジネス研修でイスラム関係のお話をする材料として何冊か読みましたが、一番読みやすく、またわかりやすかった本です。
ビジネスでもイスラムに関する知識がこれからは必要だという理由は、中近東とのビジネスもしかりですが、シンガポール、マレーシア、そして最近とても伸びている国インドネシアがイスラムの国だからです。
この本で一番最初に指摘しているのが、日本の自殺率の多さとイスラム諸国のそれの少なさです。これ一つとっても、欧米の人々が言うほどイスラムの人々は弾圧されたり抑圧的な暮らしをしているわけじゃないんじゃないかと推量できます。
異文化理解の講座をとっている諸君、11月の授業で使うのでなるだけ先に読んどくように。

 

 

 

 

『交渉術』(2011.9.16 tanakomo

 

佐藤さんは元外務省の方で、この人の書く本はやたらおもしろい。当時は極悪人のように言われてましたが、この人の知性には学ぶべきところが多いです。この本は「交渉」のやり方も書いてありますが、人間関係はどのような動くのかの事例研究といえます。

 

人は理屈じゃ動かない、感情で動く。

そして交渉相手の情報を広く集め、弱みを握り、感情に訴えかけることが肝心。