コラム:英文法は楽しい

英語において微妙なニュアンスを伝えるのはどちらかというと「文法」です。「語彙」じゃない。たくさん単語を知っているからさまざまなニュアンスの文を作れるといわけじゃありません。

 

コラム① She was beautiful. 

含みのある文章ですね。もちろん「彼女は昔キレイだったんだよ」という事実をそのまま肯定的に話すこともあるでしょうが、言い回しによっては、というか、だいたいにおいてこのような過去形の発話がなされる場合は「彼女は美しくなんかない」「彼女はもう今はキレイじゃない」という残念な気持ちを遠回しに表現していると思います。

英語の過去形は、過去のことのみを表わします。現在のことは関係ない、ということは「過去形」で話しすことは「現在においては否定されている事実」ともいえるでしょう。

He studied English. と言えば、たぶん彼はもう今は勉強していない。

 

英語の「時制」にかかわるお話、ふたつめ。

コラム② 「彼女変わったよね(キレイになったよね)」

ひさしぶりに同窓会で出会った同級生が学校にいた頃と全然違う・・・。さあ、英語で何と言うでしょう。「変わった」というところに反応して changed と考えた人がいるかもしれません。でも She changed.と言ってしまったら今のことじゃなくなります。今、目の前にいる彼女のことを、キレイになって「変わった」と言いたいのです。今の彼女のことだから She is changing. でしょうか。現在進行形を使うと、まさに今目の前で「ヘーンシン!」と仮面ライダーになってしまいます。

はい、そういうときに使うのが、過去から今までのこと、過去が今に影響を及ぼしていることを表わす「現在完了形」ですね。She has changed. 彼女が高校を卒業してそして今までの数年間にいろいろなことを経験し覚えて素敵な女性に「変わった」ことを「現在完了形」を使うことによって表わします。ちなみに、She is changed. と言ってしまったら「be動詞+過去分詞形」は受動態を表わしますから「彼女は変わられた」なんてヘンな意味になってしまいます。

(2014/4/5)

続きはまた明日以降に、