解答&解説

いかがでしたか?

知っている単語ばかりで、かつ、文章の構成など全然難しくないのに、訳せない人が多かったのではないでしょうか。

 

ここ「基本中の基本」です。

 

ははは、そんなに落胆しないでください。この文章を理解する素地はみなさんのアタマの中にあります。みなさん、ちゃんと中学高校で英文法を習っているはずです。「忘れたぁ!」じゃないんです。いつも使ってないから、単に「使えない」だけです。

 

特に受験勉強をくぐり抜けて来た方々なら必ずアタマの中に「英文法の知識」がたくさん詰まっています。つまりOSもソフトも準備されているのです。フナツの英文法の授業は、それを実践的に使えるように「設定し直す」のだと思ってください。

 

きっと何度も繰り返しここでお話しすることになりますが、「英文法」の勉強は、あくまでも英語を理解し気軽に使えるようにするためのものであって、試験に合格するために必死に詰め込むものではないし、覚えなきゃいけないという義務感など不要です。

 

以下の問題もこれから書く解説を読めばまず忘れることはありません。次から同じような文章が出て来たらきっと応用できるはずです。

 

ははは、前書きはいいから早く解説してよ、って?

 

1)The window gives on the park.

 

さて、giveといえば「与える」と条件反射的に考えてしまう人が多いと思います。しかし、「英文読解」でも何度も書きますが、「ひとつの日本語の単語イコールひとつの英語の単語」と覚えるのは危険です。昔、小さな単語カードの表に「本」、裏に「book」なんて書いて覚えませんでした?そういうことは社会人になったらもうやめなくてはいけません。

 

本はbookじゃないです。本とbookの意味が重なる部分がほんの少しある、だけです。(これに関しては英文読解のページを参照)

 

さて、動詞には「自動詞」「他動詞」の2種類があります。日本語にももちろんあります。しかし、日本語の場合は「開く(自動詞)」「開ける(他動詞)」と形が違うので、すぐにわかります。まあ、他動詞は「〜を」という目的語が先行する、くらいに考えてください。「窓が開く」「窓を開ける」などのように使いますね。

 

でも英語は自動詞・他動詞の形の上での違いがないんです。そしてその動詞が自動詞で使われた場合と他動詞として使われた場合とでは「意味が違う」ことがよくある・・って「おいおいそれ大事じゃん」なんですよ。

 

では、形の上で変わらないならどうやって自動詞/他動詞を見分けたらいいのか?それがさきほど書いた「〜を」という目的語があるかどうかなんです。英語の場合、動詞に目的語が後続しているかどうかで自動詞/他動詞の区別がつきます。

 

上の文章をもう一度見てください。

givesの後には前置詞のonが来ています。

 

これも前置詞についての知識が必要ですが(いずれ書きますね)、前置詞の前で文は一度終わると思ってください。昔、SV、SVC、SVOなどの文型を習ったと思いますが、すべての構文において、SとかVとかC、Oというのは前置詞の前に存在します。

 

まあ、おいといて、

 

つまり、動詞の直後にある名詞・代名詞は目的語であり、目的語が後続する場合その動詞は他動詞である。動詞のすぐ後で文が終わっている、もしくは前置詞句(前置詞を伴ういくつかの単語)が後続する場合、その動詞は自動詞です。

 

もし、He gave it to her. という文なら giveの後にitが後続しているので、このgiveは他動詞で「与える」です。「彼は彼女にそれを与えた」

 

では、もう一度、1)の文章を見てください。目的語がありません、つまり、このgiveは自動詞として解釈しないといけない。さあ辞書でgiveの自動詞のところを見てください。

 

え?辞書で他動詞と自動詞の見方がわからない?はい、これもいずれ解説しますね。(ちなみに、フナツのオンライン講座では、こういった初歩的な質問なんだけどどうしてもわからない、なんていう人のために「スカイプ」で面と向かって質問できる時間を設定しています)

 

見つけられましたか?giveの自動詞の意味のひとつに「(窓などが)〜(道路など)に面している」というのがありますね。

もう訳せますね。

 

さて、次、

2)The bamboo gave but did not break.

 

これもgiveの後に名詞・代名詞は・・、ないですね。giveの後にはbutという接続詞があります、ということは(接続詞のことはまた後日書きますね)文と文とつなぐ接続詞の働きからするといったん文は終わっている。つまりこのgiveも自動詞である。

 

giveの自動詞の意味として「しなる、たわむ」というのがあります。

「へぇ〜!!」と思った人、大人になってからの勉強、好奇心とともに勉強するのは楽しいですよ!

 

さて、疑り深い人は「やっぱ文法よりボキャブラリーじゃないの?」と思っているかもしれません。でも、この二つの文章を理解するには、まず動詞の自/他の違いがわかる必要があります。いわゆる規則です。そうでないと辞書の記述を読むことすらできません。いたずらにボキャブラリーを増やすより、まず規則を理解して、整理してからアタマの中に入れることの方が上達の早道です。

 

最後に、breakを「こわれる」と訳した人はいませんか?日本語において「竹」を主語として文を作る場合「こわれる」ではなく、「折れる」という言葉をあてたほうがいいですね。

 

「竹はしなったが折れなかった」

 

これが解答です。

 

ではまた来週!

(2014.4.5)