声のワークショップ内容 理論編

座学「発声のメカニズム」

 

私たちは毎日「ことば」を交わしてコミュニケーションしています。

では「ことば」とはいったい何でしょうか?

 

「言語学」においては、<「ことば」とは「音」である>と定義されています。

 

私たちは毎日なんらかの「音」を出して他人と意思疎通しています。

その「音」の主要なものが「声」なのです・・・。

 

あなた自身が持っている魅力的な「声」を出すための第一歩、それは正しい知識の獲得です。

声のメカニズムを「音声学」の理論からわかりやすく解説します。

また、日本語の発音の特徴、そして微妙なニュアンスを伝えるプロソディ(韻律)についても理解を深めます。

 

 

 

 


・先日(2014.2.25)東京五反田のスタジオBMS-Labさんで開催された「素敵な声になろう!いい声を手に入れるためのレッスン」の導入部分の動画が、ヨガの情報サイト"Yogabovo”さんからアップされました。

 

ほんとに数分ですがよければ雰囲気だけでも・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

過去のtanakomo書き込み

(2014.3.7 tanakomo)

 

声のワークショップ<素敵な声を手に入れよう>

 

日時:3月8日(土)、13:30〜15:30

 

場所:新明コミュニティセンター 第四会議室

 

名駅ユニモール番出口より北へ100メートルほど行った左側、旧新明小学校跡地の北東角。

 

料金:¥2000(実践編とセットで¥3000)

 

持ち物:筆記用具

 

この理論編では、いい「声」を出すための必要な知識を座学で学びます。

何をどのようにトレーニングすると「良い声」になるのか、普段からどのような部分に気をつければいいのか、そういったことを「実践編」で行う具体的なボイストレーニングの前に学んでおきます。

 

そもそも「声が出る」ときにどのようなメカニズムが働いているのか考えたことのある人は少ないと思います。

 

何かしら「のど」を使ってる??と答えた人、正解ではあるんですが部分的です。

きっと、大きな声をたくさん出したときに「声がかれて」「のどが痛くなって」しまう人です。

 

実は、「声を出す」ときに「のど」だけを使うわけではありません。

 

さて、そこで今日は「声が出る」というのは物理的に身体の中でどんなことが起こっているのかを少々書きたいと思います。

 

以前ここで発声の3つのポイントのうち「気流の起こし」(声は吐く息、呼気によって作られる)のこと、そして「調音」(口の形を変えたり、舌を使って音を変える)のことを2回にわたって書きました。

 

音声学において「声」というのは「声帯の振動」である、と定義されています。

 

そもそも「音」って何でしょう?

もちろん詳細に書こうと思えばたくさん書くことはありますが、音は空気の振動ですね。

 

じゃ、なぜ空気が振動すると音として聴こえるのか。

ちょっと専門的に書くと「音は弾性のある媒質中を伝わる弾性波である」のです。

たとえばプール、お風呂でもいいですが、中で手を動かすと波ができますね。空気も(普段はまったく感じませんが)ある質量があって、弾性、つまり粘り気のある物質です。

 

叩かれる、硬い物体同士がぶつかるなど、外部からの力がある物体に与えられるとその物体は激しく振動します。その振動によって空気に「密」な部分と「疎」な部分ができる。つまり水の中で手を動かしたように空気中でも波ができると考えてください。

 

ああ、恐ろしく簡略に書いている気がして怖い・・・。

ほんとうはもっといろんなパターンがあってもっときちんと説明したいのですが、「音」の説明ばかりしていると「声」までいけない・・・。

 

そして、もしその外部の力によって振動が与えられた物体にそれ以上の力が加えられない時、物体は固有の振動数で振動します。それが余韻になります。岩に石が当たっても一瞬打撃音だけですが、コップをスプーンで叩くとコップの自由振動によって音が長く響きますよね。

 

スピーカーや打楽器、弦楽器がどのように音を作っているか、実はそれぞれ違うのです。

 

たとえば弦楽器に関してもっと細かく言えば、ギターは弦をはじく撥弦楽器だし、ピアノは弦を叩く打弦楽器、バイオリンやチェロは弦を弓でこする擦弦楽器と分けられます。

 

ちなみに、弓で弦をこするとなぜ音になるのかここで説明した〜〜い!!が、長くなるので先へ進みます、興味のある人はフナツに個別に聞いてね。

 

ふう、全然「声」にいけない。

 

あ、Mさん、フルートは剥離流れ音で空力音ですね。尺八もそうです。細い管の中を勢い良く空気が通るときの渦といってもいい。エッジトーンとも言って、リードがつくクラリネットやオーボエなどとは音の出る仕組みが違います。

 

「声」にもどります。

 

人間の声というのは、「声帯の振動」だと書きました。

「声帯」というのは、まずのどに手をあててみてください。男性なら「喉仏」のあたり、女性もそのあたり。まず何かしら骨のようなものがありますね。これを甲状軟骨といってこの中に(この骨に守られて)「声帯」があります。

 

そこに手を当てて「あ〜」と言ってください。震えましたね。これが「声帯の振動」です。

次に「ふ〜」と息を出してください。震えませんね。これは、声帯が振動せず息だけが出てくるからです。

 

では、なぜ声帯が振動すると音になるか。

 

まず声帯を閉じる、そしてそこに息を送り込むと閉じているわけですから空気の圧力が高まります。その高まった圧力に負けてわずかに声帯が開く、そうすると空気が出て行き、圧力が弱まります。そして同じように声帯を閉じて空気をためてまた開いて、という繰り替えしが行われます。その際に、上に書いたような、空気中に圧力の高い「密」な部分と弱い「疎」の部分ができるわけです。

 

これが一秒間に何百回と行われて、その空気の振動が音として私たちに感じられる、そんな仕組みなんです。「あ〜」と言ったときに振動となって手に伝わってくるのがそれです。

 

あ〜、文字ではなかなか伝わりにくいですね。

WSではもっと自分の身体を使いながらわかりやすく説明しますので・・。

 

そしてその声帯で作られる音を「喉頭原音」といって、この音だけだとなにかしらくぐもった音で、響く音にはならないのです。たとえば、ギターの弦をはじく音だけではいい音ではありません。あのひょうたんのような形をした胴体に響かせないといけないですね。

 

どんな楽器もそうです。まず音を作る場所と響かせる場所が必要。

つまり、のど(声帯)で音を作り、口の中や鼻の中、頭や上半身、さまざまな場所で響かせることが必要です。

 

のどだけに頼っていると声帯を酷使することになって、すぐに「声がかれる」「のどが痛くなる」わけです。

 

さらに、声帯というのは筋肉を包む粘膜と細い披裂軟骨からできています。

男性は約2センチ、女性だと約1.5センチのピンク色のとても繊細な器官です。

(特殊な鏡で自分の声帯を見ることもできます)

 

声帯を乱暴に扱ってはいけないのです!!

 

もっともっと書きたいのですが、また次回に。

 

 

声のワークショップ、楽しいですよ。

 

 

 

 

 


(2013.12.10 tanakomo)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この理論編では、声はどのように出るのか、出しているのか、良いコミュニケーションのために何をどのように考えたらいいのか、そういったことを解説していきます。

良い声になるためには、まず発声のメカニズムを知ることです。

さて、先日は発声のメカニズムの①「呼気」について書きましたが、今日は③「調音」です。(②「声帯振動」は文面では伝わりにくいので)

写真はダニエル・ジョーンズの基本母音図と国際音声記号の一部です。(あ〜懐かしい、と思っている人もいるかもしれません)

みなさん、たとえば、「あ」と「い」の違いはわかりますか?

もちろん字が違うわけじゃないですね。なぜ「あ」と「い」が違うのか、なぜ違うように発音できるのか、考えたことは、普通の人はないでしょうね。自然に発音できますからね。

でも、注意深く発音してみるとわかります。「あ」と「い」の違いは、口の開き、詳しくいうと口の中の形(「共鳴腔」と言います)が違って、響きが異なってくるんですね。

声帯振動を伴った呼気が出てくる際に、口の中の形を変えたり、鼻腔を使ったりして違う音を出しているんですね。

写真は、口の中において、舌の盛り上がりが
どこにくるか、ということを示したものです。そして言語音(現在世界中の言語に出てくる音)には、それぞれすべてに記号が配されています。

記号ひとつひとつ、つまり言語音のひとつひとつに記号があり、どこでどのような形を作り、どのように息を出してどのように共鳴させるか、などが記号によってわかるようになっているんですね。

それが国際音声記号です。

そうです。きちんとしゃべるためには、その音ひとつひとつをきちんと発声しなくてはいけない。頭から指令が行って、発声器官の筋肉をちゃんと動かすためには、やはりある程度の知識と訓練が必要なのです。

「別に、サッカーって走って蹴ればいいだけじゃん」でもいいんですけど、本当にうまくなりたいなら、専門家による指導と弛まぬ訓練が必要ですよね。

「話す」ということもそれと一緒だと思います。

 

 

 

 


(2013.11.28 tanakomo)

 

今年最後の「声のWS理論編」です。

声のワークショップ

<素敵な声を手に入れよう>
「自分の声を目覚めさせる」

日時:12月14日(土)

13:30〜15:30

場所:新明コミュニティセンター 第四会議室
(名駅ユニモール⑩番出口より北へ100メートルほど左側、旧新明小学校跡地の北東角にあります)

料金:¥2000(実践編とセットで¥3000)

持ち物:筆記用具

対象:自分の声に自信がない人、人前で話す職業の人、声を出さないといけない仕事なのにすぐに声がかすれてしまう人、その他自分の声や「発声」に関心のある人。

人は話し方や声の出し方で印象が変わります。

でも、普段自分がどんな話し方をしているか、声の出し方をしているかに無頓着な人が多いです。

もっと自分の声に意識を向け、コミュニケーションをより良いものにしていきましょう。

この理論編では、声はどのように出るのか、出しているのか、良いコミュニケーションのために何をどのように考えたらいいのか、そういったことを解説していきます。

良い声になるためには、まず発声のメカニズムを知ることです。

写真は「腹式呼吸」と言われる横隔膜を意識した呼吸のイラストです。

肋骨や胸郭はそんなに大きくふくらんだりしないので、肋骨の下にある
ゴム風船のような横隔膜を上下することで、より多くの空気を肺に入れたり出したりするわけです。

そして、横隔膜が下がった場合(息を吸う)、そこにあった内臓が押し出されてお腹がふくらむ。横隔膜が上がった場合(息を吐く)、内臓が引き込まれてお腹がへこむ。

腹式呼吸は、お腹で呼吸しているわけじゃないんです。
横隔膜の上下によって内臓が出たり引っ込んだりしていて、それがお腹の動きになるというわけですね。

なぜ呼吸の話から入るのか・・・・?

一度「あ〜」とずっと声を出してください。その「あ〜」という声が途切れるのはいつですか?

そう、息が切れるときです。

「声を出す」とは呼吸、とくに吐く息(呼気といいます)のことなんです。(正確に言うと声帯振動を伴った息が口もしくは鼻から出てくること)

「発声」の第一のステップの解説でした。